最初に企業の対応について説明します。大企業や大型スーパーなどは、1995年の自由化以降、様々な対応を行ってきたと思いますが、今回の自由化のタイミングで新規の電力会社が増加しますので、再度契約内容を見直すほうがよいと思います。では、今回の自由化において新たに対象となる中小企業や街の商店などがまず何をしたらよいかというと「これを機に、自分たちの電力の買い方や使い方を見直すことで、電気利用の無駄をなくす」ということが最優先事項です。

そのためには、自分たちが普段支払っている電気料金をきちんと把握することが重要です。まずは毎月の電気料金の明細書を見て、契約内容や電力使用量などをもう一度確認してみましょう。できれば、過去1年間程度の電気料金を調べることをお勧めします。冬と夏など季節によってどれくらい変化しているのか、1年間でどれほど電気を使っているのか、それらをしっかりと把握することが大切です。

1年分の電気料金を記録、保存している方はそれを見ればよいのですが、記録していない人は、今、各電力会社が過去1〜2年分の電気料金データを見られるサービスをネット上で始めているので、そちらを利用するとよいでしょう。東京電力では「でんき家計簿」という名称で運営しています。東京電力のインターネットサイトから登録すれば、過去の電力消費情報を簡単にグラフで見ることができます。当該年と前年の月ごとの電気料金の違いもグラフで一目瞭然なので大変便利です。

まずそうやって自分たちの電力使用状況をしっかりと調べましょう。今後電力会社を替える場合、新しい電力会社から「これまで年間にどれくらい電気を使っていましたか?」「夏と冬ではどれくらい電気料金の差がありますか?」などと聞かれる可能性もあります。それが分かれば新しい電力会社も、「では、こんな料金プランがいいですよ」と適切なプランを提案してくれるでしょう。
消費者側にとっても自分たちの電力使用状況を詳しく把握していることによって、それが交渉材料になるかもしれません。今後はいろいろ新しい電力会社が出てくるはずなので、まず現状を把握した上で、自社もしくは自分たちのお店に合った電力会社やプランを選ぶことが大切です。

また、特に企業はこの機会に省エネを強く意識してみるといいと思います。実は、今すでに経済産業省や環境省、地方自治体などには、省エネのための様々な補助金制度があります。「空調を替えたら費用の1/3の補助金を出します」「照明をLEDに替えたら補助金を出します」
「窓ガラスを断熱のものに替えたら補助金を出します」といったような、省エネのための制度です。政府や自治体としても、企業にもっと節電をしてもらってエネルギーを今まで以上に効率的に使ってもらいたいという方針があるので、省エネ関連の補助金予算は増加傾向にあります。電力会社を替えるだけでなく、今回の自由化を機にこうした補助金制度を活用して省エネに取り組むことができないか検討することは、企業にとって非常に重要なことだと思います。